それでもアニメは回っている

今月の番組改編に伴い、終ったアニメ、新たに始まったアニメ多数ある中で
あまりに出来がひどいのが原因で逆に話題になっているアニメ(ロリポップなど)があり
前節のMUSASHIGUN道と併せ、世界で話題の日本アニメ(死語)の凋落を嘆くコメントをそこかしこで見かけたが
何を今更という気がする。
そんなこと深夜アニメが始まる前から言われていたことで、その頃からデジタルセル導入や東南アジアへの下請け輸出についてはいろいろと言われて当初は(デジタルセル独特の色使いや作画に外人の名前を見つけるとそのアニメのクオリティが低く見えるなど)いろいろ悪評を人づたいに聞いたものだが、今はほぼ当たり前になってしまった。
今より本数少なくて競争も激しくない頃に何故、今回のクオリティの低さの要因として挙げられるような国内の開発環境の劣悪さが問題にされなかったのか?
90年代外国で(多くは韓国・インドなど)アニメは作られるようになったときに、(日本の世界に誇れるアニメ文化の礎が海外に奪われるとか)散々騒いでいた連中は何だったのか?

アニメ製作の現場に関連して声優の待遇も今よりまだ良かった頃、もっともそれでも劣悪なことは変わり無かったのだろうが(それゆえに問題にならなかったのかも知れんが)何故、今更?

今回参考にしたBlogのエントリの最後尾に僅かだが指摘されていること(工程管理が甘すぎる)が実はアニメだけではなく関連するゲームや雑誌・漫画の現場においても品質低下の重要な原因ではないのか?
最近業界に入る新人アニメーターや新人声優のLvの低さもさることながらそれを指導・管理・育成する立場の人材の不足が重要であるように今回の騒ぎやゲーム関係の出版に関わっている知人の話も聞いていたので強く思われた。
私も年代的にはそういう後進を導かねばならない位置にいるのだが悔しいことに
現在、業界との接点が余りに細いため歯噛みするしかない。申し訳ない。

ただ人材の問題は大きいがやはり現場の劣悪すぎる労働環境が慢性化しているのも事実。
今の業界の構造では現場が報われなさ過ぎる。現在、著作権について喚いているのはお偉い学者さんや広告会社、DVDの販売元の連中であり、大元の製作現場の声は余り聞こえてこない。おそらくそんなこと考える余裕も無いのが現状なのだろう。
途中の連中ボッタくり過ぎ!そういう連中を守る著作権なら廃されるべきと考える。

ただ、現状物凄い数のアニメが日々放映されている現状に待ったをかけることはできない。
視聴者ができることは見て少しでも思ったことを声として文字として残すことしかないように思う。
その積み重ねで・・・気の遠くなる作業ではあるが・・・・

参考エントリ たまごまごごはん(id makaronisan)さん アニメ制作の費用についてしらべてみた。